電子ピアノの音質とアンプ出力について
電子ピアノはアンプを通して音を出すので、そのアンプの出力が直接音色に関わってきます。
アンプ出力はW(ワット)数で表されており、その数値も音質に影響します。
前回書いた電子ピアノのスピーカーの数と関係することになりますが、このアンプ出力数(ワット数)も音選びの基準になります。
ワット数が大きい方がいい?
まず、「ワット数が大きい=大きい音を出せる」となります。
部屋でそんなに大きい音を使わないから、そんなに出力は必要ないと言われればその通りです。しかし、ここに「音質」が関わってくると話は変わってきます。
同じ音量でもワット数の大きいものと、ワット数の小さいものでは全然違います。
ワット数が大きいとそのアンプの出力に耐えるスピーカーが必要になるので、スピーカーのサイズも大きくなります。逆にワット数が小さいとスピーカーのサイズもコンパクトになります。
大きいスピーカーを使えると出てくる音に余裕があるので、同じ音量でもいい音に聞こえるようになります。
特に低音についてはワット数が小さいと物足りない感じが出てくるので、ワット数が大きいほうがいい音に感じるようになっています。
構造と価格の問題
音が良くなるのならばワット数が大きいほうがいいじゃないかとなりますが、電子ピアノの場合、そうは簡単にいきません。
それが構造(スピーカーの配置)と価格の問題です。
コンパクトタイプの電子ピアノは構造上、スピーカーのサイズを大きく取れないので、このワット数が小さめに設定されています。
据え置きタイプからはピアノ本体も大きくなるので、大きいアンプ&スピーカーを搭載し、低音もしっかりと音が安定してきます。
ハイエンドモデルについては大きい出力の低音域と、ワット数が小さくても良質な音が出る高音域専用スピーカーを使い分けています。本体も大きくなり、スピーカーの数が増える=アンプの数も増えるので高額になっていきます。
一般的な電子ピアノのワット数
- ポータブルタイプ・・・10W未満(2個)
- コンパクトタイプ・・・7〜12W(2個)
- エントリーモデル・・・10~20W(2個)
- ミドルレンジモデル・・・合計100W未満
- ハイエンドモデル・・・合計100W以上
どれを選べばいい?
ポータブルタイプはライブでも使用出来るようになっているので、スピーカーとしては全然弱い印象です。大きい音を出すことはあまり考えていない、もしくは外部出力に強いので、キーボードアンプも考えている人向けです。
コンパクトタイプのサイズ感重視の方向けです。アンプ出力が弱いので、スピーカーからはあまり迫力のある音ではありません。しかし、ヘッドフォンをご使用していただければ音も楽しめます。
エントリーモデルはスピーカー/アンプもしっかりしているので、ヘッドフォンを使いたくない(使わせたくない)小さいお子様や、実際に音を出して演奏したい初心者の方向けです。
ミドルレンジ以上のモデルはスピーカーの配置、音色の好みで選んでいただくようになります。