ヤマハ AvantGrand vs カワイ NOVUS：ハイブリッドピアノ比較

ハイブリッドピアノは、アコースティックピアノのようなタッチと演奏感を持ちながら、音量調整・録音・メンテナンスフリーなどデジタルピアノの利便性も備えた、両者の“いいとこ取り”をした電子ピアノです。

今回は、ヤマハとカワイ、それぞれのハイブリッドピアノシリーズを構造や機能面から比較・紹介します。

ヤマハ AvantGrand（アバングランド）シリーズ

ヤマハのハイブリッドピアノ「AvantGrand」シリーズは、アコースティックピアノに限りなく近い演奏感と、デジタルの利便性を融合させたラインアップです。

アップライトピアノの打鍵感を求めつつ、夜間練習やヘッドホン使用を想定する方に向いています。旧モデルNU1Xの改良版で、静音性と操作性が向上しています。

アクション構造そのものがグランドピアノに近いため、アップライト型よりも本格的な演奏感が得られます。コンパクトながら、タッチや響きに妥協しない設計です。

シリーズ最上位モデルで、より臨場感と演奏感を求めるユーザーに向いています。見た目もグランドピアノ型で、ステージやサロンなどにもマッチします。

カワイのハイブリッドピアノ「NOVUS」シリーズは、アコースティックピアノと同様のハンマー・ダンパー機構を搭載し、打鍵感だけでなく内部構造も本格的です。

外観は完全にアップライトピアノそのもの。内部は電子制御ながら、鍵盤やペダルの挙動は物理的に再現されており、アコースティックに非常に近い感覚です。

NV10は、グランドピアノ型アクションをそのまま電子制御化した、ハイブリッドピアノの中でも珍しいモデルでした。NV5よりも広がりのある設計で、鍵盤タッチや音響もよりグランドピアノに近い設計でした。

なお、ローランドからも**GPシリーズ（GP607・GP9など）**というグランドピアノ型の電子ピアノが販売されています。

これらは外観こそグランドピアノ型で高級感がありますが、アコースティックの鍵盤アクションは搭載しておらず、内部は完全なデジタル構造です。
そのため、「ハイブリッドピアノ」には分類されませんが、美しい外観や音響設計の工夫により、演奏感とデザイン性を兼ね備えた選択肢として人気があります。

メーカー	機種名	発売年	スピーカー構成	サイズ・重量	価格帯（参考）
ヤマハ	NU1XA	2023年	4スピーカー（90W）	約150×46×102cm / 約111kg	約500,000〜600,000円
ヤマハ	N1X	2019年	6スピーカー（280W）	約147×61×101cm / 約117kg	約700,000〜850,000円
カワイ	NV5S	2021年	6スピーカー（135W）+響板スピーカー	約149×64×102cm / 約127kg	約650,000〜750,000円
カワイ	NV10S	2021年	7スピーカー（135W）+響板スピーカー	約148×65×99cm / 約127kg	約850,000〜950,000円