電子ピアノの選び方|音で迷ったら「低音の響き」を聴いてみよう

今回は「音」に注目して電子ピアノの選び方をご紹介します。
電子ピアノを選ぼうと思って楽器店へ行くと、「どれも同じように見える」「何を基準に選べばいいのかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
電子ピアノ選びで重要なのは、「鍵盤のタッチ」と「音」です。タッチについては以前からよく比較されていますが、実は音の違いもメーカーやモデルによって大きく異なります。
ただ、「自分の好きな音がわからない」という方も少なくありません。そんな方におすすめしたいのが、試奏するときに“低音域の和音”を弾いてみることです。
今回は、電子ピアノ専門店の視点から、音の違いを感じやすい試奏方法についてご紹介します。
音選びに正解はありません
まず大前提として、電子ピアノの音に「これが一番良い」という正解はありません。
少し明るく華やかな音が好きな方もいれば、落ち着いた柔らかい音が好きな方もいます。メーカーごとに音作りの考え方も異なるため、最終的にはご自身が「この音が好き」と感じるものを選ぶのが一番です。
最近の電子ピアノは非常に進化しており、
- グランドピアノを実際に録音したサンプリング音源
- 音の響きをリアルタイムで計算するモデリング技術
- ダンパーペダルによる共鳴音の再現
- 鍵盤から指を離した際のノイズの再現
など、各メーカーが本物のピアノに近づけるためにさまざまな工夫をしています。
しかし、電子ピアノはあくまでも家庭で演奏することを前提に作られた楽器です。価格やサイズ、スピーカーの性能などを考慮して設計されているため、どれだけ技術が進化しても、本物のアコースティックピアノの響きを完全に再現することはできません。
だからこそ、本物のピアノと比較したときに「どこに違いが出やすいのか」を知っておくと、自分に合った電子ピアノを選びやすくなります。
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音の違いが分かりやすいのは「低音域の和音」
私たちが電子ピアノとアコースティックピアノの違いを最も感じるのは、低音域で和音を弾いたときです。
特にジャズのようにテンションを含んだ複雑なコードを弾いた場合、その違いが分かりやすく感じられます。
アコースティックピアノの場合は、低音域の複雑な和音でも豊かに響き、自然に音が混ざり合います。
一方で電子ピアノの場合は、モデルによって、
- 音が少し詰まったように聞こえる
- 少しこもったように感じる
- 少し高い音域で弾いたほうがきれいに聞こえる
と感じることがあります。
もちろん、これは「電子ピアノだから悪い」という話ではありません。電子ピアノごとの音作りやスピーカー性能の違いが表れやすいポイントだと考えていただくと分かりやすいでしょう。
なぜ低音域の和音で違いが出るの?
ピアノの音には、実際に弾いた音以外にも「倍音」と呼ばれるさまざまな成分が含まれています。
特に低音域になるほど音の響きは複雑になり、和音を重ねることでより多くの倍音が生まれます。
アコースティックピアノは弦や響板、ピアノ本体全体が共鳴して音を鳴らしますが、電子ピアノは最終的にスピーカーから音を出します。
そのため、低音域の複雑な響きはモデルごとの差が出やすく、「音の広がり」や「響き方」の違いを感じやすいのです。
もちろん最近の上位モデルでは非常に自然な響きを実現しているものも多く、一概に価格だけで判断できるものではありません。しかし、低音域の和音は電子ピアノの音作りの違いを感じるための、とても分かりやすいポイントだと思います。
試奏するときは「低音の和音」を弾いてみましょう
楽器店で試奏すると、多くの方は真ん中のドのあたりを弾いて「いい音だな」と感じて終わってしまいます。
もちろんそれでも良いのですが、実際にピアノを弾いていくと、左手で低音域の伴奏を弾く場面は非常に多くあります。
弾いていて気持ちが良いと感じるかどうかは、実は低音の響きが大きく関係していることも少なくありません。
試奏の際は、ぜひ左手で低音域の和音を弾いてみてください。
特におすすめなのが、同じ和音を転回形にして弾き比べる方法です。
- ド・ミ・ソ(基本形)
- ミ・ソ・ド(第1転回形)
- ソ・ド・ミ(第2転回形)
これらはすべて同じハーモニーですが、最低音が変わることで響き方が変わります。
電子ピアノによっては、ド・ミ・ソでは少しこもって聞こえても、ミ・ソ・ドやソ・ド・ミにするとスッキリと響く場合があります。逆に、どの形でも自然で気持ちよく響くモデルもあります。
同じ和音を転回して弾くだけなので、ピアノ経験が少ない方でも簡単に試すことができます。複数の電子ピアノを弾き比べてみると、メーカーごとの音作りやスピーカーの違いを感じやすくなるでしょう。
まとめ
電子ピアノの音選びに正解はありません。最終的には、ご自身が「この音が好き」と感じるものを選ぶのが一番です。
もし、「どれを選べばいいのかわからない」「どれも同じように聞こえる」と感じたら、ぜひ低音域の和音を弾いてみてください。
実は、この低音の響きにはメーカーごとの音作りやスピーカー性能の違いが表れやすく、電子ピアノの個性を感じやすいポイントでもあります。
店頭で単音を弾くだけでは分からなかった違いが見えてくるかもしれません。
電子ピアノ選びで迷ったときは、「低音の和音」をぜひ試してみてください。きっと、ご自身の耳にしっくりくる一台が見つかるはずです。
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