電子ピアノの「Bluetooth」って何ができるの?MIDIとオーディオの違いをわかりやすく解説!

はじめに:電子ピアノのBluetooth、活用してますか?
最近の電子ピアノには「Bluetooth(ブルートゥース)」機能が搭載されているものが増えていますよね。「何となく便利そうだけど、具体的に何ができるの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、電子ピアノに搭載されているBluetooth機能の「Bluetooth MIDI」と「Bluetooth Audio」について、それぞれの役割と活用法を徹底解説していきます!これを読めば、あなたの電子ピアノがもっと便利になること間違いなしです。
1. Bluetoothってそもそも何?
まずは基本的なところから。Bluetoothは、簡単に言えば「近くにある機器同士を無線でつなぐ技術」のこと。
スマートフォンとワイヤレスイヤホンを接続したり、ワイヤレスマウスをパソコンに接続したりするのに使われています。電子ピアノもこの技術を使って、他の機器とワイヤレスでつながることができるんです。
2. 音を「聞く」ためのBluetooth Audio(ブルートゥース・オーディオ)
2-1. Bluetooth Audioってどんな機能?
普段私たちが音楽を聴くときに一番身近なのが、このBluetooth Audioです。これは、その名の通り「音そのもの」を無線で送受信するための機能。
例えば、
- スマートフォンの音楽を電子ピアノの内蔵スピーカーで再生する
- 電子ピアノの音をBluetooth対応の外部スピーカーやオーディオ機器で再生する
といったことができます。
2-2. どんな時に便利?
- 練習曲や伴奏に合わせて演奏したい時:スマホやタブレットで再生している音源を電子ピアノのスピーカーから流しながら、一緒に演奏できます。わざわざケーブルを接続する手間が省けてスマートです。
- 高品質な音源を大迫力で楽しむ:お気に入りの音楽や、憧れのピアニストの演奏動画を、電子ピアノの内蔵スピーカーやBluetooth対応の外部スピーカーを使って、より良い音質で楽しめます。まるでコンサート会場にいるかのような臨場感を味わえますよ!
- 複数人で音楽をシェアしたい時:家族や友人と一緒に音楽を聴く際、電子ピアノのスピーカーから手軽に音源を再生できます。
2-3. 注意点はある?
音のデータは情報量が多いため、どうしてもわずかな遅延(レイテンシー)が発生します。特に、電子ピアノの音を直接ワイヤレスイヤホンで聴くような用途では、鍵盤を弾いてから音が聞こえるまでのタイムラグが非常に大きく、実用レベルではありませんのでご注意ください。
現時点では、電子ピアノの音をワイヤレスイヤホンに安定して飛ばせる技術は一般的ではありません。
また、スマホなどからの伴奏音源を電子ピアノのスピーカーから流しながら一緒に演奏する場合でも、非常にシビアなリズム感が求められる曲では、わずかな遅延が気になる可能性があります。このような場合は、有線での接続の方がおすすめです。
「深夜の練習でワイヤレスで聴きたいけど、Bluetoothだと遅延が気になる…」と感じた方もいるかもしれませんね。実は、Bluetoothとは異なる独自の無線通信方式を採用し、低遅延を実現したワイヤレスヘッドホンも存在します。
3. 音を「操る」ためのBluetooth MIDI(ブルートゥース・ミディ)
3-1. Bluetooth MIDIってどんな機能?
「MIDI(ミディ)」という言葉を聞き慣れない方もいるかもしれませんが、シンセサイザーなどの電子楽器では一般的に使用されます。
MIDIとは「音の情報を数値でやり取りするための国際規格」です。つまり、Bluetooth MIDIは「鍵盤がどのくらいの強さで押されたか」「どのペダルが踏まれたか」といった演奏の『情報』を無線で送受信するための機能なんです。
音そのものではなく、「ドの音が、どのくらいの強さで、どのくらいの長さで弾かれた」という“データ”を送っている、と考えると分かりやすいでしょう。
3-2. どんな時に便利?
このBluetooth MIDIが使えると、電子ピアノの可能性がぐんと広がります!
特にメインとなるのは、各電子ピアノメーカーが提供している専用の電子ピアノ用アプリとの連携です。
- メーカー製アプリとの連携で広がる世界:
- 楽譜表示・自動スクロール:電子ピアノを弾くと、演奏に合わせてタブレットの楽譜が自動で進む!もう譜めくりの心配はいりません。
- 内蔵曲の譜面表示:電子ピアノに内蔵されている曲の譜面をアプリに表示させ、ガイドに合わせて練習できます。
- 採点・記録機能で演奏力アップ:自分の演奏をアプリが採点してくれるので、どこが間違っているのか、どうすればもっと上手になるのかが視覚的にわかります。日々の練習を記録して、上達を実感することも可能です。
- 音色や設定のリモート操作:アプリから電子ピアノの音色を選んだり、メトロノームのテンポを変えたりと、本体に触れずに各種設定を快適に行えます。
- 汎用アプリとの連携:
- レッスンアプリで楽しく学習:初心者向けのレッスンアプリと連携すれば、まるで先生が隣にいるかのように、楽しくピアノを学ぶことができます。
3-3. 注意点はある?
Bluetooth MIDIはデータの容量が小さいため、Bluetooth Audioほど大きな遅延は発生しにくいですが、使用環境によっては多少の遅延を感じることもあります。特に、メーカー製ではない汎用アプリと連携する場合は、アプリやOS、接続機器との相性も確認しておきましょう。延は発生しにくいですが、使用環境によっては多少の遅延を感じることもあります。アプリやPCとの相性も確認しておきましょう。
4. Bluetooth AudioとBluetooth MIDI、違いを理解して使いこなそう!
特徴 | Bluetooth Audio | Bluetooth MIDI |
---|---|---|
送受信内容 | 音そのもの(オーディオデータ) | 演奏情報や操作情報(MIDIデータ) |
目的 | 音を聞くこと | 楽器や機器を制御すること、演奏情報を送ること |
用途例 | スマホの音楽をピアノから流す、ワイヤレスイヤホンでピアノの音を聴く | 楽譜アプリ連携、採点アプリ連携、DTM連携 |
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このように、電子ピアノのBluetooth機能には、大きく分けて「音を聴くためのBluetooth Audio」と「音を操るためのBluetooth MIDI」の2種類があります。
それぞれの役割を理解すれば、電子ピアノでの練習や音楽制作がもっと快適に、そして楽しくなるはずです!
あなたの電子ピアノにもBluetooth機能が搭載されているか、ぜひチェックしてみてください!
【参考】主要メーカー電子ピアノ Bluetooth対応状況一覧(目安)
※注意点
- この表は一般的な傾向と、調査時点で確認できた情報に基づいており、全ての機種を網羅しているわけではありません。
- メーカーや機種のモデルチェンジにより、対応状況は常に更新されます。
- ご購入を検討される際は、必ず各メーカーの公式サイトや製品説明書で最新かつ正確な情報をご確認ください。
メーカー | Bluetooth Audio対応傾向 | Bluetooth MIDI対応傾向 |
---|---|---|
カワイ | 近年発売のCNシリーズの一部、CAシリーズの上位機種などに搭載。 (例: CN301/201, CN39, CA59など) | 比較的多くの機種で対応。(例: CN29/39, CA48/58など) |
ローランド | 多くの現行モデルで搭載。上位機種だけでなく、RP/FPシリーズなど幅広いモデルで対応。(例: LX-9/6/5, HP704/702, RP701/107, FP-10/30/60/90など) | 多くの現行モデルで搭載。Bluetooth Audio同様、幅広いモデルで対応。(例: LXシリーズ, HPシリーズ, RPシリーズ, FPシリーズ, GO:PIANOシリーズなど) |
ヤマハ | 近年発売されたPシリーズのエントリーモデル(P-145BTなど)や、Clavinovaシリーズの上位機種に搭載が進んでいます。 | 比較的多くの機種で対応。特にメーカーアプリとの連携を重視するモデルでは搭載が多い傾向。(例: Clavinovaシリーズの一部, Pシリーズなど) |
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