電子ピアノに湿度対策は必要?
ギターやバイオリンなど、木製の楽器は湿度によって形状の変化が起こります。
そのため、湿度調整するものを楽器ケース内に入れ、その変形を防ぎます。
電子ピアノも外装は木製で、木製鍵盤の機種もあります。
梅雨のジメジメした中では、部屋の湿度も気になりますが、電子ピアノに湿度対策は必要なのでしょうか?
電子ピアノそのものに除湿対策は必要ない
電子ピアノの外装はMDF材で作られており、耐久性がありますが湿度には弱い特性があります。
しかし、電子ピアノの場合はフィルムコーティングされているため、湿度からの影響を受けにくくなっています。
金属部分の錆が気になるかもしれませんが、電子ピアノには通常の電化製品と同様の素材が使われているため、特別な対策は不要です。
もちろん、部品の劣化の原因にはなるため湿度が全く問題ないわけではありませんが、通常の使用環境では湿度が原因で故障することはあまりありません。
電子ピアノは調律や調整が必要ない楽器であるため、基本的には湿度対策も必要ありません。
どのような湿度対策があるのか
ピアノは湿度管理が難しい楽器です。シリカゲルなどの楽器用除湿剤は販売されていますが、これらは楽器を密閉できるケースで使用するため、密閉することが出来ない大きなピアノには適しません。
アップライトピアノやグランドピアノの場合、湿度対策としてダンプチェイサー(ピアノ内蔵のヒーター)などの専用商品が販売されています。一方で、電子ピアノ専用の湿度対策商品はありません。
電子ピアノ本体には直接の湿度対策は不要ですが、高温多湿の環境ではカビが発生し、衛生的な問題や外装のMDF材の変形・劣化を引き起こす可能性があります。そのための湿度対策を考えるようにしましょう。
電子ピアノの場合、楽器自体に湿度対策を施すのではなく、設置場所の部屋全体に対策を行います。
具体的には、設置場所を見直す(エアコンのある場所や風通しの良い場所に設置する)ことや、除湿機を設置することが効果的です。
塩化カルシウム系の除湿剤は置かないで
除湿対策でも塩化カルシウム系の除湿剤(ドライペットなど)はNGです。
吸った湿度は水になってそのままなので、こぼれて楽器にかかったりする可能性もあるので、使わない方がいいでしょう。
ドライペットの発売元でもあるエステーでも記載されています。
成分が塩化カルシウムですので、溜まった液は塩水と同じような性質です。万一、転倒や破損により製品から液漏れした場合、保管品に影響が出るためおすすめできません。
エステー・お客様相談室 https://products.st-c.co.jp/support/faq/detail/3913/
つまり塩化カルシウム系では効果が無いどころか、デメリットの方が大きくなります。