電子ピアノの木製鍵盤は何が違うのか
電子ピアノも鍵盤の重さなどのタッチには各メーカーの工夫があります。
その鍵盤の種類に「木製鍵盤」があります。この木製鍵盤は何が違うのでしょうか。
鍵盤の長さが違う
木製鍵盤は上位機種に搭載されており、エントリーモデルは木製鍵盤ではなくプラスチック鍵盤になっています。
基本的には表面素材は同じなので、ただ単純に鍵盤に触れるという意味では同じです。
しかし、演奏となると違いが出てきます。
まず、木製鍵盤の最大のメリットは「鍵盤を長く作れる」ということです。
プラスチック製品はコストということに関してはメリットはありますが、耐久性ということに関しては弱く、それが長いものになればさらに破損しやすくなってしまいます。
それに比べ、木製だと軽く丈夫なので、耐久性もあり長い鍵盤を作る上では最適な素材になります。
電子ピアノも「見えている鍵盤部分」はどの電子ピアノも同じくらいの長さですが、見えていない鍵盤部分の長さがエントリーモデルと上位モデルでは異なっています。
カワイ電子ピアノより(https://www.kawai.jp/product/c/digitalpiano/) カワイ製木製鍵盤 カワイ製エントリーモデル 木製鍵盤とプラスチック製鍵盤では鍵盤の長さが違う
鍵盤の長さが違うと構造も変わる
電子ピアノは実際のピアノのようにハンマーを動かす構造でピアノを再現しています。
実際のピアノの鍵盤と同じ重さなので、プラスチック製鍵盤も木製鍵盤も鍵盤の重さだけに絞ると大きい違いはありません。
しかし、長さが違うと「支点の違い」というものが出てきます。
支点が変わると鍵盤を押さえる位置で鍵盤の動きや重みに変化が出てきます。
重さだけではない、押さえた感覚・離す感覚に違いが生まれ、それが木製鍵盤とプラスチック鍵盤の大きな違いになります。
同一鍵盤の連打や、白鍵だけ(鍵盤の先の方を弾く)と白鍵と黒鍵の混ざる(鍵盤の根元部分を弾く)曲や和音を弾くと支点の違いも分かりやすくなります。
他にもローランドからはプラスチックと木製のハイブリッド鍵盤で鍵盤を長く作ているモデルもあります。
カワイやヤマハが「オール木製」にこだわる一方、ローランドは木材と樹脂を合わせた「ハイブリッド鍵盤」を採用しています。
本来、木材は長く設計するほど反りや歪みのリスクが高くなりますが、中心を頑丈な樹脂で貫くハイブリッド構造にすることで、この問題をクリアしています。
これにより、「歪みのリスクを抑えながら鍵盤の奥の支点までを長く設計できる」という大きなメリットが生まれ、グランドピアノのように奥側を弾いたときでも軽いタッチでスムーズに弾ける演奏性を実現しています。
樹脂の「高い耐久性」と木製の「自然な質感」を両立させた、デジタル専門メーカーならではの合理的な選択肢と言えます。
ローランドデジタルピアノより(https://www.roland.com/jp/products/lx700_series/) 木製とプラスチックのハイブリッド鍵盤
木製鍵盤のデメリットは?「価格」の差とネットの噂の真相
メリットの多い木製鍵盤ですが、購入を検討する上で唯一のデメリットと言えるのが「価格(コスト)」です。
一般的に、電子ピアノは木製鍵盤を搭載したモデルになると、樹脂製鍵盤のモデルに比べて価格帯が上がります。例えば、ヤマハの定番「クラビノーバ」シリーズの最新モデル(CLP-800シリーズ)で比較してみましょう。
- CLP-835(樹脂製鍵盤): 約20万円前後
- CLP-845(木製鍵盤): 約26万円前後
※電子ピアノはオープンプライスのため価格は目安です。
最新機種で比べると8万円ほどの差がありますが、これにはスピーカーの数やアンプの出力など、鍵盤以外のスペック差も含まれているため、一概に鍵盤だけの価格差とは言えません(※1世代前のCLP-700シリーズでは約5.5万円の差でした)。 一つの目安として「新品の木製鍵盤モデルを選ぶなら、予算はおおよそ中古でも3万〜8万円ほどアップする」と考えておくと間違いありません。
ネットでよく見る「重さ」や「湿度」のデメリットは本当?
木製鍵盤について検索していると、「本体が重くなる」「木だから湿気の影響を受ける」といったデメリットを目にすることがあるかもしれません。しかし、一般家庭で普通に使う分には、これらは気にする必要はほとんどありません。
- 「本体が重くなる」について 確かに樹脂製より総重量は増えますが、ピアノは一度設置したら基本的に動かさない楽器です。持ち運んでステージ演奏するような使い方をしない限り、家庭用としてはデメリットになりません。
- 「湿度の影響を受ける」について 「木が反るのでは?」と心配される方もいますが、現代の電子ピアノの木製鍵盤は非常によく乾燥・加工されており、一般家庭の環境であれば致命的な影響を受けることはまずありません。 (逆に、電子ピアノの鍵盤が歪むほどの湿気や乾燥がある部屋なら、先に人間や家の方が参ってしまうレベルです!)
そのため、木製鍵盤を選ぶかどうかの実質的な分岐点は、重さや湿度ではなく、やはり「価格(予算)」ということになります。
どちらを選ぶのがいいの?
もちろん木製鍵盤をオススメしますが、木製鍵盤搭載機種は上位なので、価格的にも高くなっています。
そこで、優先順位を決めてもらう方が選びやすくなります。
- 鍵盤のタッチ重視→木製鍵盤
- コンパクトさ重視→プラスチック鍵盤
- コスパ重視→プラスチック鍵盤
- 音色重視→どちらでも可
電子ピアノは色々と選択肢があるので、自分に合った電子ピアノを見つけてあげましょう。
電子ピアノのご相談は電子ピアノ再生工房まで!!







