電子ピアノの「サンプリング音源」と「モデリング音源」の違い
電子ピアノの土台となるピアノの音には各メーカーにより違いがあり、ピアノ音の仕組み自体が異なっています。
ピアノ音の種類には「サンプリング音源」と「モデリング音源」があり、各メーカーの電子ピアノ音の仕組みを理解しておくとより「好みの音」に出会えるようになります。
音源の種類(サンプリング音源)
サンプリング音源とはピアノを1音ずつ弾き、それを録音したものと電子ピアノの鍵盤に合わせています。
88鍵の全ての音で録音された本物のピアノ音を使用しているので、電子ピアノからも本物のピアノ音が出るようになります。
本物の音は強く弾いた音や弱く弾いた音でもちろん異なった音になります。サンプリング音源は強弱や音の長さにも違和感がないよう、音量差や音の長さも全て録音されており、演奏時にその音データが使われています。
サンプリング音源はグランドピアノを製造しているピアノメーカーならではの音源で、ヤマハとカワイの電子ピアノでサンプリング音源が採用されています。
カシオも上位機種でベヒシュタインのサンプリング音を使用したモデルがあります。
ヤマハもカワイもフルコンサートグランドピアノの音をサンプリングしているので、ステージでしかで味わうことの出来ない本物のグランドピアノの音をご家庭でも楽しめるようになっています。
音源の種類(モデリング音源)
サンプリング音源が「録音した音」に対し、モデリング音源は「計算された音」になります。
ピアノは実際は弾いた音によって共鳴する部分があります。共鳴は強弱によっても変わり、音の長さによっても変わるので、ピアノも鍵盤を押す/離すだけでも色々な表情があります。
サンプリング音源は1音を忠実に再現しますが、モデリング音源はこの共鳴部分も計算した音を出すことが出来るので、曲の流れなどでリアルタイムに変化する特徴があります。
電子楽器に強いローランドやカシオ、コルグはこのモデリング音源を採用しています。
モデリングなので、「モデルとなった音」はあります。
サンプリング音源ではないですが、参考にしている有名グランドピアノの音に近い音を出すことが出来ます。
選び方
この「サンプリング音源」と「モデリング音源」はどのように選ぶのがよいのでしょうか?
もちろん正解はありません。「好み1択」です。
そこで、その音源による好みを見つける方法です。
- まずは普通に弾いてみる。
- 小さい音、大きい音で、低音から高音まで、テンポも速く/遅くと1音ずつ弾いてみる。
- 小さい音、大きい音で、低音から高音まで、テンポも速く/遅くと和音を弾いてみる。
- 電子ピアノの本体の音量を上げて上記2,3をやってみる(響きの違いは小さいので分かるように大きい音で演奏する)。
- 電子ピアノの本体の音量を下げて上記2,3をやってみる(小さい音でも違いが分かるかどうか)。
- 実際に演奏してみる(音質が好きかどうか)。
- できればヘッドホンも使ってみる。」
これで各メーカーの音色の好き/嫌いの大まかな部分が絞られます。あとは音色ではない部分(ご予算やタッチ)も考えていただけると電子ピアノを選びやすくなります。
電子ピアノのご相談や試奏も承っております。