電子ピアノの鍵盤は重くて軽いのがいい。

電子ピアノの鍵盤はどのようなものがいいのかと言われれば「重くて軽い鍵盤」です。
この一見矛盾した感覚こそが、演奏者にとって心地よい操作性を生み出します。

ピアノタッチは重い

電子ピアノの「ピアノタッチ」という表現だけでは鍵盤を押す力が必要な、いわゆる「鍵盤が重い」状態を作ることです。
シンセサイザーの鍵盤は軽い鍵盤が多いですが、ピアノの場合はその鍵盤の重さなどで表現力などが付けやすくなります。

機種によってはバネの力で重くするようにありますが、現在の電子ピアノの場合はピアノと同じ構造のハンマーに重りを付け、その重量で鍵盤が重くなるようになっています。

重さの質が違う

鍵盤の重さも「◯kg!」と簡単に押すだけの重量を合わせればいいとは限りません。

鍵盤を押すのも最初と途中で重量が変わるからです。
鍵盤を動かす初動の力と、動いてからの力、また音を伸ばすのであればそれを持続する力など、常に一定ではないのでただ単純に重くするだけではピアノのタッチにはなりません。その重さの移り変わりが重要になります。

重さの移り変わり=ハンマーの場所となるので、求められるのは「ハンマーの位置が感じられる鍵盤」となります。

このハンマーの位置を感じやすくするためには鍵盤は長いほうが分かりやすくなります。
電子ピアノの場合、鍵盤を長く作るためには強度的に樹脂製よりも木製鍵盤の方が適しています。そのためタッチを重要視する場合は木製鍵盤が人気になります。

鍵盤の戻りの速さもチェック

また鍵盤は戻って来るスピードも大事です。
求められるのは速すぎるのでも遅すぎるのでもなく指に吸い付くような感覚です。

この鍵盤が戻ってくるスピードを速くするには重りを重くすればいいのですが、それだと逆に鍵盤に押し戻されるような感覚になります。
つまり重いだけではなく、軽さも重要になります。

とはいえ、軽すぎると今度は戻って来るスピードにも違和感が出てきます。

メーカーもカウンターウェイトなどといった鍵盤の戻りの工夫を行っています。
電子ピアノも鍵盤の戻って来る速さもチェックすると理想の鍵盤の重さを決める上で重要になります。

鍵盤の根本部分の重さをチェック

鍵盤の先端側を演奏すると結構「重さは変わらない」と感じます。

エントリーモデルでも各メーカーの研究などでかなりピアノに近づいた感じになっています。
樹脂製鍵盤でも重さのバランス、演奏感など、電子ピアノといえど本物のピアノを演奏する感覚と似ています。

しかし、ハイエンドモデルになってくると先端部分ではなく、根元部分(ピアノ本体側)を演奏するとその重量が異なり、押すと軽く感じます。
支点からの距離や構造で重さの質が異なるからです。

この軽さがピアノタッチでは重要な要素となり、樹脂製鍵盤と木製鍵盤の構造での違いとなります。

つまり、重さの中に軽さがあるというようになります。

価格と演奏のバランスで適したものを選ぶ

近年の電子ピアノはほぼ鍵盤タッチもアコースティックピアノに近づいており、楽しく演奏出来る機種になっています。

ハイエンドモデルでは木製鍵盤でもさらに長く作られるようになっており、木製鍵盤の中でもさらにタッチが異なるようになっています。

しかし、ハイエンドモデルでは値段も高価になります。
木製鍵盤搭載モデルは中古でも10万円を超え、さらにハイエンドモデルでは中古でも15万円超になります。

演奏においてそこまでタッチを重要視しない場合、例えばちょっとした練習用や、気軽にピアノを楽しみたい場合はエントリーモデルでもピアノタッチに近い演奏感でお手頃価格で演奏することができます。

また、当店では電子ピアノの下取りも行っているので、将来的にはもっとピアノタッチにこだわったものへ機種をアップグレードしたいなどのご相談も承っております。

電子ピアノのご相談等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

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