電子ピアノの最大同時発音数について

電子ピアノには「最大同時発音数」が設定されています。
この意味はそのまま、ピアノで同時にいくつの音が再生できるかどうかの表記です。

この最大同時発音数について、どのように判断するのがよいのでしょうか。

ステレオは同時に「2音」

指は10本なので、最大同時発音も10でいいのではないかと思いますが、そうはいきません。
その理由が電子ピアノはステレオ出力なので左右で1音ずつ、合計2音が同時に出ているからです。

そのため、指10本使って同時に演奏した場合の同時発音数は「20」になります。

ペダルを踏んだときは「同時発音」になる

サスティンペダルを使用すると同時に発音する音としてカウントされます。

音を伸ばす=同時に発音するようになります。

例えば「ドレミファソラシド」とペダルを使用せずに弾いた場合は最大発音数は「2」です。
ミスタッチなどしても4〜6が同時発音になります。

しかし、サスティンペダルを使用すると同時に演奏する音が「16」になります。
ミスタッチがあると一気に30音近くになります。

ペダルを踏んでいる間は常にカウントされるようになるので、ペダル演奏時は同時発音数が多くなります。

録音もある

電子ピアノの代表的な機能の1つ、「録音」も考えなければいけません。
録音した音も波形ではなく、電子ピアノの音データなので発音にカウントされます。

つまり、録音したデータに合わせて演奏する場合は自然と同時発音が増えるようになります。

たくさんの音色を同時に出す

シンセサイザーやエレクトーン、電子ピアノでもヤマハCSPやCVPシリーズのように他の楽器の音色も出る機種、そしてPCなどを利用して同時に音を出す場合はさらに同時発音数も必要になります。

最大同時発音数を超えるとどうなる?

最大同時発音数を超えた場合は最初に弾いた音から順に消えていきます。

サステインペダルを踏んでいる事が前提になりますが、伸ばしている音が急に消えるようになります。

どれを選べばいい?

上記の事を考えて、ピアノの機能や演奏するジャンルなども考えて選んでみましょう。

使用用途推奨最大同時発音数
とりあえずなんでもいい64以上
ピアノを手軽に楽しみたい128以上
クラシック曲を弾きたい192以上
録音機能を使って同時に演奏したい256以上
音に妥協したくない256以上

最大同時発音数が64の場合は32音が同時に出ているので、32音と33音の違いを聞き分けるようになります。通常のスピーカーでは聞き取れないくらいなので、「とりあえず」という場合は64音くらいから探してみましょう。

電子ピアノの5年以内のモデルではほぼ全てが最大同時発音数が128音以上の機種で、一部のポータブル系の電子ピアノが少なく設計されています。いわゆる据え置き型についてはエントリーモデルも上位モデルも256音が同時発音数が一般的になっており、ローランドの上位モデルではピアノ音に限れば最大同時発音数も無制限になっています。

現在は最大同時発音数もそこまで気にしなくても大丈夫になってきましたが、古い中古電子ピアノや、ポータブル系、キーボードなどを検討されている場合は最大同時発音数も調べておくといいでしょう。

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