電子ピアノに乾燥対策は必要?
冬場の乾燥と楽器への影響
冬場は乾燥が気になる季節です。特に木製楽器は、乾燥によって割れや接着の剥がれが生じることがあります。では、木製部品を含む電子ピアノの場合も、乾燥対策が必要なのでしょうか?
電子ピアノに乾燥対策は必要?
湿度対策の記事でも書きましたが、電子ピアノの場合は基本的に湿度対策は必要ありません。
木製鍵盤についても鍵盤の内部構造が全て木製品で出来ているわけではありません。湿度による鍵盤の膨張や収縮も通常の室内の状態であれば隣の鍵盤に干渉するような問題はないでしょう。
外装部分もMDF材は湿度に弱い性質を持っていますが、乾燥に対しては問題ありません。
つまり、電子ピアノの場合、乾燥による大きな問題はありませんので、特別に必要なことを行う必要はありません。
本当に電子ピアノの乾燥対策は何もしなくていい?
アコースティックピアノの場合、長持ちさせ、常に良い状態で演奏するため年間を通して理想的な温度: 15℃~25℃、湿度: 40%~60%の状態が望ましいとされています。
温度や湿度による変化が起こると膨張や収縮によるピアノの最も重要な部分の弦や響板、そしてそれらの強い力を支える骨格部分への影響があるためです。
電子ピアノの木製部分は木製鍵盤の場合で白鍵部分のみとなります。
つまり、弦や響板などを持たず、調律も必要ない電子ピアノは湿度による影響があまりないと言えます。
ただしAvanGrandシリーズのような鍵盤構造が全てアップライトピアノと同じ場合は鍵盤の動きに変化がある場合があるので、ある程度の湿度管理は行うようにしましょう。
避けたい場所もある
湿度による影響は少ないとはいえ、加湿器のすぐ隣などは外装部分のフィルムなどに影響があることも考えられるので避けたほうがいいでしょう。
エアコン直風の場合は湿度や温度については大丈夫ですが、エアコンからの風の影響で楽譜が動く(特に暖房の場合は下向きに風がなる)といったことで演奏しづらくなるので、風向きは考えておきましょう。
床暖房をご利用の場合もご利用いただけますが、床暖房対応マットを敷き、電子ピアノに熱が伝わらないように工夫してあげるといいでしょう。
まとめ
電子ピアノはアコースティックピアノのように湿度や乾燥に対してシビアではありません。ただし、一部モデルや設置環境によっては注意が必要です。最適な環境で電子ピアノを長くお使いいただくため、基本的な配慮を忘れないようにしましょう。